犬や猫を普通のタクシーに乗せられるかは、ひとつの条件だけで決まるわけではありません。出発点になるのは、動物の車内持込みを原則禁止としたうえで例外を定める旅客自動車運送事業運輸規則 第52条第14号です。ここで除かれているのは補助犬・これと同等の能力を有すると認められる犬・愛玩用の小動物の3つですが、「小動物」の線引きは条文に示されていません。さらに標準運送約款 第4条の「適する設備」の有無などが重なり、最終的には事業者ごとの判断になります。

条文と約款を確認したうえで、事業者ごとに何を確認すればよいか、そしてペット送迎専用の車の設備を整理します。

1. 法令は「動物」を原則禁止にしたうえで、3つを除いている

タクシーやバスに持ち込めない物品は、旅客自動車運送事業運輸規則 第52条に16号にわたって列挙されています(火薬類・引火性液体などの危険物のほか、刃物や死体も含まれます)。動物は第14号です。

十四 動物(身体障害者補助犬(…)及びこれと同等の能力を有すると認められる犬並びに愛玩用の小動物を除く。)

除かれているのは、次の3つだけです。

  1. 身体障害者補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)。身体障害者補助犬法 第8条も、公共交通事業者等が同伴を拒むことを禁じています(ただし書きあり)
  2. これと同等の能力を有すると認められる犬
  3. 愛玩用の小動物

第16号は「他の旅客の迷惑となるおそれのあるもの又は車室を著しく汚損するおそれのあるもの」も挙げています。鳴き声や抜け毛が気になるのは、感覚の問題だけではないということです。

「愛玩用の小動物」の線引きは条文に示されていない

第52条第14号の条文には、「愛玩用の小動物」の範囲を定める文言がありません。体重や体高といった数値の基準も、条文の中には置かれていません。国土交通省は運用についての通達(旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について)も出していますが、「愛玩用の小動物」の具体的な範囲は、少なくとも条文の上では示されていない、というのが原文から確認できる範囲です。

線引きが条文に示されていない以上、同じ犬でも大きさによって判断が分かれ得ます。大型犬が「小動物」に当たるとは限りません。

2. もうひとつの分かれ目は、約款の「設備」

タクシー事業者は運送約款を定めて国土交通大臣の認可を受け、国が公示した標準運送約款と同じ内容にした場合は認可を受けたものとみなされます(道路運送法 第11条)。その一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款 第4条は、運送の引受け・継続を拒絶することがある場合として、(2)当該運送に適する設備がないとき、(7)運輸規則で持込みを禁止された物品を携帯しているとき、などを挙げています。

つまり(7)で第52条第14号にかかるかどうかに加えて、(2)「適する設備がないとき」の判断も事業者側にあります。だから同じ会社に頼んでも、配車される車やその日の状況で結果が変わり得ます。

事業者ごとに条件の書き方は違う(公式FAQの例)

同じ「小動物なら同乗できる」という案内でも、条件の置き方は事業者によって違います。実際に、大手2社の公式のよくある質問を見ると次のようになっています。

  • 日本交通は、公式のよくある質問で、ひざ上で抱ける程度の大きさで家庭で一般的に飼われている動物なら、ケージやキャリーバッグを用意のうえ同乗できる、と案内しています。
  • kmタクシーは、介助犬・盲導犬など法令で定められた動物を除き、ケージに入れて車内を汚すおそれがなく、安全運転の妨げにならない場合に利用できる、としています。

どちらも同乗を認めていますが、「ひざ上で抱ける大きさ」「ケージに入れる」「車内を汚さない」といった条件の書き方は各社で異なります。乗せたい犬や猫が条件に当てはまるかは、利用する会社のよくある質問や運送約款で、その都度確認するのが確実です。

3. 予約の前に伝えておくこと

争点が「小動物に当たるか」と「適する設備があるか」である以上、先に伝えるべきなのは大きさと乗車のかたちです。一般のタクシーなら、動物の種類とおおよその体重/キャリー・ケージの要否/頭数と付き添いの人数/乗車のかたち(キャリーのまま置くか、床に固定するか)を予約時に伝えておくと行き違いが減ります。

「乗せてもらえるか」ではなく「この形なら乗せられるか」と聞くと、判断が早くなります。

4. ペット送迎専用の車の設備

ペット送迎専用の車は、動物の送迎を前提に設備を整えて走っています。ペットタクシーCOCOタク練馬杉並店の場合、運輸局へ貨物軽自動車運送事業の届出を行い、事業用の黒ナンバーで運行しています(軽貨物は届出制)。車両や車内の設備は次のとおりで、乗車のかたちはペットの大きさや性格に合わせて用意します。

項目内容
車両ペット送迎に対応した専用車両(完全禁煙)
乗車のかたち後部座席・ケージ・ドライブボックスを、ペットの大きさや性格に合わせて車両側で調整
大きさ小型犬から大型犬まで。乗り降りには専用スロープ
動物の種類法的に愛玩飼養が禁止されていない種類なら種類を問わず
頭数・同乗大きさによりますが2〜3頭まで/付き添いは1〜3名まで
車内運行前と運行後に洗浄・殺菌。お布団やタオルの持ち込みも可
事業者の届出運輸局へ貨物軽自動車運送事業の届出を行い事業用の黒ナンバーを取得(軽貨物は届出制)
料金の起点5km以内 3,300円(距離加算は料金表)
対応エリア練馬区・杉並区を中心に、中野区・板橋区・豊島区・新宿区・渋谷区・目黒区・世田谷区・武蔵野市・西東京市・三鷹市・調布市・小金井市ほか東京都全域(対応エリア)
ペット送迎専用車両の後部座席に設置したドライブボックス
後部座席とドライブボックス
ペット送迎に使用するケージの寸法図
ケージの寸法図
車両後部に取り付けた乗り降り用の専用ペットスロープ
乗り降りに使う専用スロープ

車内と専用スロープの写真は専用車両と車内の設備に掲載しています。ご希望の乗車のかたちがあれば、ご予約の際にお知らせください。

5. お受けできない場合もあります

  • 狂犬病ワクチン・混合ワクチンが未接種のペット
  • ひどく汚れている、人を咬むなど危険がある、ケージからの出し入れが困難な場合
  • 怪我や病気の療養中など、健康状態から輸送が難しいと判断される場合

その他の条件はご利用の注意事項に記載しています。

よくあるご質問

Q. タクシーにペットを乗せてもいいですか?

A. 運輸規則 第52条第14号は動物の持込みを原則禁止とし、補助犬・これと同等の能力を有すると認められる犬・愛玩用の小動物を除いています。「小動物」の範囲に条文上の定義がないため、最終的には事業者ごとの判断になります。乗せたい犬や猫が条件に当てはまるかは、利用する会社のよくある質問や運送約款で確認するのが確実です。

Q. ペットタクシーはケージなしで乗車できますか?

A. 車両の設備によります。当店は後部座席・ケージ・ドライブボックスをペットに合わせて調整しますので、ご希望をご予約時にお知らせください。

Q. タクシーでペットを抱っこしてもいいですか?

A. 一般のタクシーでは事業者の判断です。当店は乗車のかたちを事前に伺って車内を用意しますので、ご相談ください。

ご利用までの流れはご利用の流れ、その他のご質問はよくあるご質問にまとめています。ご相談はお問い合わせフォームからお受けしています。

参考にした法令・約款・公式案内

本記事で参照した法令・約款の条文と事業者の公式FAQは、2026年9月18日に原文・公式ページで確認しています。

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この記事について

運営: ペットタクシーCOCOタク練馬杉並店(東京都練馬区練馬)

法令・約款は改正されることがあります。個別の運送の可否は各事業者にご確認ください。